岩崎未央
京都大学iPS細胞研究所 未来生命科学開拓部門 岩崎研究室 講師(独立PI)
当時は、石濱泰先生(現 京都大学大学院薬学研究科教授)の研究室で、プロテオーム解析手法の開発に取り組んでいました。 網羅的タンパク質解析の…
Message from the Director
幼少の頃、私は21世紀に漠然とした憧れを抱いていた。車は空を飛び、コンピュータとロボットが暮らしを豊かにし、たまの家族旅行は宇宙へ――。世紀末に語られたノストラダムスの大予言には不安もあったが、それさえ乗り越えれば、人類にはテクノロジーの発展を礎とした輝かしい未来が待っている。そんな希望に満ちた21世紀像が、当時の映画や少年雑誌には描かれていた。
その21世紀が始まって間もない2001年4月、慶應義塾大学先端生命科学研究所が開設された。田んぼの真ん中にぽつんと建つキャンパスを訪れたとき、私はすでに青年だったが、ここから新しいバイオサイエンスが始まるのだという高揚感を強く覚えている。それから四半世紀。田園に囲まれていたキャンパスはサイエンスパークへと発展し、数々のベンチャーが生まれた。その歩みはやがて「鶴岡の奇跡」と呼ばれるまでになり、最先端の生命科学に早くから触れた地元の高校生たちが博士号を取得し、再び鶴岡に戻ってくるという新たな循環も生まれつつある。当時は学生だった私も所長となり、車はいまだ空を飛ばないものの、それ以上に夢のある未来が、確かに実現し始めている。
開山から1400年以上の歴史をもつ羽黒山の時間軸から見れば、25年は刹那にすぎないかもしれない。しかし人の一生においては、およそ一世代にあたる歳月である。その間、所員や学生たちの熱意と、途切れることのない多くの方々の支えがあってこそ、今の先端研がある。実現したい未来を思えば、私たちはまだ入口に立ったばかりとも言える。だからこそこの節目に、先端研に関わってくださったすべての方々への感謝を新たにし、これまでの歩みを祝い、そして次の25年に向けた、希望に満ちた未来を描いていきたい。
詳細は後日掲載します。