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先端生命科学研究所、脳神経細胞のコンピュータシミュレーションに成功~記憶のメカニズム解明に新手法~

慶應義塾大学先端生命科学研究所・冨田勝所長と菊地進一助手らの研究グループはコンピュータ上に神経細胞の働きを再現することに成功し、2003年11月発売の国際論文誌Neural Networks誌の「神経情報学」特集号に発表しました。

かねてより同研究所が開発してきた細胞シミュレーションソフトウェア「E-Cellシステム」を用いて、海馬(脳で短期記憶を司るとされている部位)での 神経シナプスに生じる長期増強(Long-Term Potentiation, LTP)という現象を詳細に再現しました。LTPとは、一時的な刺激を与えるとしばらく興奮を続けるという現象で、脳の短期記憶の分子的な基盤であると言 われています。

今回のシミュレーションでプロテインフォスファターゼ2Aという物質がLTPに重要な役割を果たしていることも明らかになりました。今後これらの研究成果が、分子レベルからの記憶のメカニズムの解明や、記憶力低下の診断・治療への応用につながることが期待されます。

このニュースは下記のメディアでも報道されました。

・山形新聞 11/22 20面
・荘内日報 11/26 1面
・山形放送「プラス1」

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