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先端生命科学研究所、世界初の革新的な生体シミュレーションソフト開発

先端生命科学研究所の高橋恒一研究員らは、細胞や臓器などの生体活動をコンピュータでシミュレーションするための革新的な手法を開発した、と3月1日発刊の英国際論文誌Bioinformatics誌に発表しました。

生体は数千・数万の物質や酵素反応をはじめとした様々な生命現象が絡み合った複雑なシステムですが、これを理解するために不可欠な手段としてコンピュータ シミュレーション技術が近年注目を集めています。生体のシミュレーションが難しい点は、多種多様な化学反応、物理現象が混在している点にあり、その複雑な 現象を再現する"統合的なシミュレーション手法"の開発に各国の研究者が挑戦していました。

今回高橋研究員らは、それぞれの反応に対して 別々の計算手法を用い、かつ全体をひとつのシミュレーションとして実行できる基盤ソフトウェアを世界で初めて開発しました。このソフトウェア「E- Cellバージョン3」を用いれば、各生体機能に最も効率の良い計算手法を別個に用いることが可能になり、シミュレーションを用いた生物研究の適用範囲が 格段に広がります。

中心的役割を果たしてきた高橋研究員は「大規模な生体シミュレーションは今世紀最大の科学的挑戦の一つ。E-Cell はこのための汎用ソフトウエア基盤として世界で唯一。これを一歩に今後もこの分野の先端で貢献を続けたい。」、冨田勝教授は「E-Cellプロジェクトの メンバーの多くは学生。そのフレッシュで自由な雰囲気が、斬新なアイデアを育んだと思う。」とそれぞれコメントしています。

このニュースは下記のメディアでも報道されました。

BIOTECHNOLOGY JAPAN 3/3
・日刊工業新聞 3/4
・山形新聞 3/4
・日経産業新聞 3/5

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