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慶應義塾大学、「環境バイオ」の研究・教育を強化

慶應義塾大学環境情報学部と同大先端生命科学研究所は、今秋から「環境バイオ」分野の研究・教育を強化します。

第一歩として、地球環境にやさしい(炭酸ガス発生量が少なく、リサイクルが可能)植物由来プラスチック「ポリ乳酸」の原料である「L-乳酸を高生産する微 生物の開発」に着手します。ポリ乳酸プラスチックはすでに自動車部品等に使われており、この研究成果によって高効率生産が可能になれば、今後広い産業分野 での需要が見込まれます。

先端生命科学研究所ではかねてより、メタボローム(全代謝物質)解析、ゲノム工学、細胞シミュレーションなど幾 多の最先端技術を独自開発してきました。これらの技術を使うと、細胞内の代謝物質を網羅的に計測し、その大量のデータをもとにコンピュータで代謝の振る舞 いを理解し、有用微生物の品種改良を効率よく行うことができます。今回、この技術を用いて、L-乳酸を高生産する微生物の開発を行います。今までは主に、 医療分野と食品分野(発酵微生物)に応用してきましたが、環境微生物にも応用できると判断して今回「環境バイオ」研究を立ち上げました。

有用物質を高生産する微生物のほかにも、環境浄化能力を持った微生物、熱水中など極限環境に生息する微生物、高効率で二酸化炭素を酸素に変換する微生物などの研究にも着手します。

ま た、環境情報学部の大学生も、これらの研究プロジェクトには参加して、最先端のサイエンスに触れながら単位を取得することが可能です。プロジェクトへの貢 献を通して、代謝工学、分析化学、遺伝子工学、情報科学など複数の学問分野を修め、幅広い視野と技術を持った人材の育成を目指します。

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