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2007年のニュース

IABの研究プログラム「新規緑藻によるバイオ燃料向け脂肪酸誘導体の生産効率向上に関わる培養条件検討」が地域イノベーション創出総合支援事業「シーズ発掘試験」に採択

JSTは12日、地域イノベーション創出総合支援事業として、シーズ発掘試験における平成19年度採択課題を選定したと発表し、慶應義塾大学先 端生命科学研究所(IAB)の研究プログラム「新規緑藻によるバイオ燃料向け脂肪酸誘導体の生産効率向上に関わる培養条件検討」が選ばれました。

この事業は、各府省や大学(知財本部・地共センター等)や地方自治体、独立行政法人、TLO等に配置されている各種コーディネータ等が発掘した大学 等の研究シーズの実用化を促し、イノベーションの創出に資するとともに、コーディネータ等の活動を支援することを目的とした試験研究制度です。本年度は、 全国から6,018件の応募があり、応募課題の「新規性及び優位性」や「目標設定の妥当性」、「研究実施計画の妥当性」を評価項目として外部委員により査 読評価を行い、当該評価に基づき、シーズ発掘試験選定会議において、1,250件の新規採択課題が決定されました。(詳細はこちらへ)


慶 應義塾大学のプログラム「新規緑藻によるバイオ燃料向け脂肪酸誘導体の生産効率向上に関わる培養条件検討」は、軽油を産生する新しい緑藻の代謝機構を明ら かにし、石油代替燃料を生産する新しいシステムを開発することを目指します。人類が直面している大きな環境問題として、地球温暖化、石油枯渇問題があげら れますが、このプロジェクトは今までにはなかった全く新しい切り口で、この2つの問題を一度に解決しようとするものです。このプロジェクトの特徴は"二酸 化炭素をもとに軽油を生産する"点にあり、この技術が実用化されれば世界初の画期的なものとなります。


今回採択された試験は、 IABが独自に開発した脂質メタボローム解析技術により、オイルを蓄積した細胞の代謝物質を網羅的に解析し、バイオ燃料の原料として有用な物質群を見つけ 出そうとするものです。さらに、同解析技術を用いて、この緑藻が有用物質を効率的に蓄積するメカニズムの解明やオイルを高生産するための培養条件(二酸化 炭素濃度・光量・温度など)を調査する予定です。このプログラムは先端生命科学研究所の伊藤卓朗研究員(山形県鶴岡市出身)が代表研究者を務めます。


冨田所長は「本研究は、二酸化炭素をオイルに変換する、という究極のエコ微生物を実用化するための第一歩です。鶴岡の先端技術が地球環境に貢献することを目指しています。」とコメントしています。

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