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細胞内をリズミカルに移動するタンパク質を大量に発見

細胞の核の中で働くタンパク質の中には、核を周期的なリズムで出たり入ったりしているものがあります。このようなタンパク質には、核移行シグナルとよばれる特殊なシグナルが付加されており、それが目印となって働いています。

慶應義塾大学先端生命科学研究所(冨田勝所長)の小杉俊一博士と柳川弘志博士らの研究グループは、この核移行シグナルを高精度で予測する新手法を世界で初めて開発し、細胞分裂のタイミングに合わせて核を出入りする11種類のタンパク質を同定することに成功しました。

核を出入りするタンパク質には癌や様々な遺伝病の発症に深く関与しているものもあり、ヒトゲノムの情報を基に本技術を応用すれば、これらの病気を引き起こす原因遺伝子のいくつかを特定できる可能性があります。

この研究成果はProc. Natl. Acad. Sci. USA(米国科学アカデミー紀要) 2009.6.11 オンライン版に掲載されました。
http://www.pnas.org/content/early/2009/06/11/0900604106.abstract

冨 田所長は「ITとバイオ実験を融合した鶴岡独自の手法によって、細胞内を行ったり来たり規則的に移動するたんぱく質が生命活動にとって重要不可欠である、 という驚くべきことが明らかになりました。米国アカデミー紀要は極めてインパクトの高い学術誌なので、山形で生まれたこの研究成果を世界中の細胞研究者に 注目してもらえることがとても嬉しい。」とコメントしています。

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