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慶應義塾大学先端生命科学研究所、日英共同研究開始

英国のインペリアルカレッジロンドンは、慶應義塾大学先端生命科学研究所(IAB、山形県鶴岡市)と細胞の代謝解明のための共同研究契約を締結しました。


(左から、インペリアル・カレッジ・ロンドン医学部教授Dr.Ken Haynes, IAB冨田所長、同 Douglas Murray講師)

老化や発がんには細胞の「酸化」が深く関与していることが知られています。本来、細胞には酸化還元バランスを自ら調節する代謝機能を持っています が、そのメカニズムの詳細は未だによくわかっていません。今回IABはインペリアルカレッジと共同で、単細胞生物の酵母菌(パン酵母)をモデル生物とし て、その酸化還元メカニズムをIABの最先端分析技術を駆使して徹底的に解析します。酵母菌を一定の条件で培養し、その遺伝子発現、タンパク質、代謝物を 網羅的に測定。同時に「RNA干渉」という技術を駆使して特定の遺伝子を働かなくさせ、それによる細胞内の変化も網羅的に測定。こうして得られた世界最大 規模の測定データをコンピュータで統合することによって、酸化還元メカニズムの詳細なしくみを世界で初めて明らかにします。


IAB は2007年にも大腸菌の代謝を世界最大規模で徹底的に測定し、微生物代謝の頑強性を世界で初めて解明、米サイエンス誌に論文が掲載されました。今回、同 様の手法をより複雑な酵母菌に応用すべく、インペリアルカレッジから共同研究の申し出があり、検討・相談の結果、本共同研究に至りました。


冨田所長は「山形県鶴岡市が、日英共同研究の重要な拠点として指名されたことはとても名誉なこと。今まで9年間、学生諸君および研究者のみんなで力を合わせてやってきたことが認められてとても嬉しい。」とコメントしています。

この日英共同研究は、JSTの戦略的国際科学技術協力推進事業(研究交流型)日本-英国研究交流 」が、英国バイオテクノロジー・生物科学研究会議(BBSRC) と共同で「システムバイオロジー」における研究交流課題の募集および審査を行い、平成21年度の採択課題として、慶應義塾大学先端生命科学研究所 (IAB)とインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究プログラム「酵母におけるトランスクリプトーム、プロテオーム、メタボロームレベルでのレドックス制 御機構のモデリング」が採択されたものです。(プロジェクト担当者:日本側=先端生命科学研究所 冨田勝所長、ダグラス・マレー講師、英国側=ロンドン大学インペリアルカレッジ医学部のKen Haynes(ケン・ヘインズ)教授らのグループ)

(関連URL:http://www.jst.go.jp/pr/info/info718/index.html

このニュースは下記メディアで報道されました。

  • NHKテレビニュース おはよう日本 5/8
  • 山形新聞 5/8 1面
  • 河北新報 5/8 3面
  • 読売新聞 5/8 27面
  • 荘内日報 5/9 1面トップ
  • 朝日新聞 5/9 33面

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