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高校生研究助手 筆頭著者として日本藻類学会第35回大会にて学会発表

平成23年3月26日~30日、富山大学(富山県富山市)で開催されている日本藻類学会第35回大会において、慶應義塾大学先端生命科学研究所(山形県鶴岡市、冨田勝所長)の高校生研究助手である村上司君(山形県立鶴岡中央高等学校1年)が、筆頭著者としてまとめた研究成果を学会発表しました。

「オイル産生微細藻が利用可能な有機物質」 著者:村上司(山形県立鶴岡中央高等学校1年・慶應義塾大学先端生命科学研究所研究助手)、伊藤卓朗(先端生命科学研究所研究員)、藏野憲秀(株式会社デンソー基礎研究所)、冨田勝(先端生命科学研究所所長)

窒素栄養欠乏下のオイル産生藻"Pseudochoricystis ellipsoidea" に様々な栄養を与えて、細胞の増殖を調べました。その結果、アラニン、アルギニン、グリシンをそれぞれ添加すると細胞数が6倍以上に増加することを見出しました。つまり窒素欠乏下のオイル産生藻には、これらの有機物質が最も効率のよい栄養素であることを示しました。

村 上君は、培地作成、藻類の移植、細胞計数、ポスター作成など本研究全般に関わり、「これまでがんばってきた成果を多くの人に知ってもらう事ができてうれし かった。学会では、高校生としてではなく同じ研究者としてたくさん質問してもらえた事に感激した。」とコメントしています。

なお、本研究は,慶應義塾大学先端生命科学研究所と株式会社デンソーとの共同研究の一環として行われました。

この研究の共発表者であり、指導者である教員は、下記の通りコメントしています。
伊藤研究員:「村上君が、一年間、常に実験の目的を意識し、一つ一つの作業の精度を高めるために努力しながら根気よく実験を続けた事が今回の成果につながった。学会会場においては、多数の質問を受け、注目されていた。この経験をもとに、今後も新しい挑戦を続けてほしい。」
冨 田所長は「サイエンスにおける『研究』はスポーツにおける『試合』と同じ。世界トップレベルのスポーツ選手はジュニア時代から国際試合で揉まれてきたのと 同様に、世界トップレベルの科学者を輩出するためには、高校時代から先端研究で鍛えることが重要。科学立国日本を支える人材を鶴岡から数多く輩出していき たい」とコメントしています。

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