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慶應義塾大学先端生命科学研究所、日新製薬株式会社と バイオマーカー探索の共同研究を開始

慶應義塾大学先端生命科学研究所(以下慶大先端生命研、山形県鶴岡市、所長:冨田勝)は、2011年9月より3年間、日新製薬株式会社(以下日新製 薬、山形県天童市、代表取締役:大石俊樹)とメタボローム解析の共同研究を行うことを発表しました。この共同研究では、がんの早期発見や進行の診断に繋が る新規バイオマーカーを探索する予定です。

日新製薬では、2011年9月より3年間、慶大先端生命研へ研究員を派遣し、慶大先端生命研が培ってきたメタボローム解析技術の習得を目指します。また、 この共同研究期間に慶大先端生命研と日新製薬が共同で、今後罹患者が最も多いがんになると予想されている大腸がんのバイオマーカーを探索する予定です。 将来、日新製薬は、慶大先端生命研と同性能のメタボローム解析装置を導入し、独自にこの技術を医薬品分野で応用することを検討しています。

慶大先 端生命研は、最先端のバイオテクノロジーとITを駆使した「統合システムバイオロジー」という新しい生命科学のパイオニアの研究拠点として、世界的な注目 を集めています。慶大先端生命研の曽我朋義教授らにより開発されたCE-MSによるメタボローム測定法は、一度に数千個のイオン性の代謝産物の定量解析を 初めて可能にした新技術で、生命現象を理解する上で最も重要な研究手法の一つとなっています。 本共同研究を担当する慶大先端生命研の池田和貴特任助教らは、大腸がんと近年の脂質の過剰摂取との関連性に着目し、新たにLC-MS測定を用いた脂質性の 代謝産物の網羅的な分析法を確立しました。欧米諸国に多い大腸がんは、日本でも近年患者数が急増しており、危険因子の一つとして、食生活の欧米化による高 脂肪(脂質)・低繊維成分などの過剰摂取が挙げられています。大腸がんは早期に発見できれば治癒率が高いため、従来の診断法と比べて、より早期段階で診断 の可能なマーカーをメタボローム研究で発見したいと考えております。

大腸がんマーカーが発見できれば、極微量な血液から大腸がんを高精度 かつ高感度で、いち早く発症を発見できる可能性があり、治癒率やクオリティ・オブ・ライフの向上に繋がることが期待されます。 この共同研究開始にあたり、慶大先端生命研の冨田所長は「鶴岡で開発してきた先端技術を県内企業に移転し、山形県の産業発展に貢献できることはとても嬉し いです。」とコメントしています。日新製薬の大石俊樹社長は「医薬品産業の一端を担う当社にとって、このような先端的な仕事に携われることを嬉しく思って おります。」とコメントしています。

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