慶應義塾大学先端生命科学研究所慶應義塾大学先端生命科学研究所

ニュース&イベント

HOMEニュース&イベント 2012年 大象株式会社と微生物発酵の共同研究開始

2012年のニュース

大象株式会社と微生物発酵の共同研究開始

慶應義塾大学先端生命科学研究所(山形県鶴岡市、以下先端研)は、韓国の大手食品会社の大象株式会社と微生物発酵メカニズム解明のための共同研究契約を結び、その締結式が1月11日、鶴岡メタボロームキャンパスにおいて執り行われました。

左から、慶應大先端研 冨田所長、大象株式会社中央研究所 Lim Hong Myung所長

微生物の発酵能力を用いて食品や医薬品などの有用物質を生産する技術が、今後ますます重要になるとされています。しかし、微生物の発酵能力のメカニ ズムの詳細は未だによくわかっていません。今回先端研は独自のシステム生物学的な技術を駆使して、大象株式会社が所有する高い発酵生産能力を持つ微生物 が、通常の微生物と比較してどこが優れているかを、解明するために共同研究を開始します。この研究が進めば、発酵能力がさらに高い微生物を育種することが できる可能性があります。

先端研は2007年にも大腸菌の代謝を世界最大規模で徹底的に測定し、微生物代謝の頑強性を世界で初めて解明、米サイエンス誌に論文が掲載されました。今回の共同研究は、その技術を食品および創薬産業への実用化をめざしたものです。この研究が進めば、広くさまざまな微生物の発酵能力を高めるという応用研究にも生かすことができます。

 研究契約はまずは1年間。大象株式会社の社員1名が慶應義塾大学先端生命科学研究所に常駐し、研究スタッフの指導を受けながら研究を進めます。研究成果は原則として学会などで発表します。

冨田所長は「今回、高い発酵能力を持つ微生物を我々に提供してもらえることになったので、山形発の最先端分析技術を駆使しその発酵能力の仕組みを明らかにすることで、食品科学にブレイクスルーを起こせるかもしれない。」とコメントしています。

このニュースは下記のメディアで報道されました。

TOPへ