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エコミュージアム(東京都千代田区)にて オイル産生微細藻類を培養開始

慶應義塾大学先端生命科学研究所(山形県鶴岡市、所長:冨田勝)の伊藤卓朗研究員らの研究グループの協力の下、日本の新たな金融拠点となる大手町フィナンシャルシティ 注1の日本橋川沿いに設置された「エコミュージア注2」において、本研究所で収集されたオイル産生微細藻類注3の培養展示が11月1日(木)から開始されました。

「エコミュージアム」は、最新の環境情報の発信をする屋外型サスティナブルガーデンとして設置されました。本研究所では、「エコミュージアム」コン テンツプロデューサーの赤池学氏(株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所所長)よりオイル産生微細藻類の展示への協力依頼を受け、準備を進めてきまし た。


本研究所では2006年より微細藻類の研究を進めており、世界中で研究に利用されているコナミドリムシの培養株を北米以外から 初めて確立するなど多数の新培養株を発表しています。また、メタボローム解析により、オイル産生微細藻類がオイルを蓄積する際の代謝物質量の変化を解明す るなどの成果を上げており、代謝解析をもとにしたオイル生産効率の高い藻類の開発を目指しています。

エコミュージアムには本展示の他に、野外設置型植物工場「アーバンエコファーム」、薄層屋上緑化技術を利用した湿性花園、蛍飼育スペース「ほたるのせせらぎ」、などが設置されています。

伊 藤研究員は「エコミュージアムでオイル産生微細藻類が実際に培養される事で、私たちの研究の意義や藻類の有用性を広く一般に伝えたい」とコメントしていま す。冨田所長は「伊藤研究員は鶴岡市出身です。鶴岡出身の若き研究者の成果が、大手町で展示されることによって日本中に発信されることはまことに喜ばしい ことです」とコメントしています。

【解説】

注1 大手町フィナンシャルシティ

大手町連鎖型都市再生プロジェクト第2次事業として東京都千代田区大手町の旧ビル(JAヒ?ル、経団連会館、日経ヒ?ル)解体後の跡地約14,100m2に 建設された、事務所、店舗等て?構成する複合施設て?す。日本政策金融公庫や日本政策投資銀行の本社機能などが移転するオフィスフロアに加え、1階外構に は、最新の環境情報の発信等を行う「エコミューシ?アム」、地下1階及ひ?1階には飲食店舗を中心に2 7店舗か?出店します。

注2 エコミューシ?アム

大手町フィナンシャルシティの日本橋川沿いの外構に、最新の環境情報の発信・啓発と普及、また技術開発の促進を目的として設置されました。就業者や来街者の五感に訴えかける演出によって、楽しみなか?ら気つ?きを促す啓発と発信の場になります。

注3 オイル産生微細藻類

微 細藻類は、観察に顕微鏡を必要とする小さな植物で、光合成により二酸化炭素を吸収して増殖します。これらの一部は細胞内にオイルを蓄積し、その生産性はナ タネやアブラヤシを大きく上回ると試算されています。本研究所では日本各地から様々な微細藻類を収集し、特にオイルを蓄積する藻類を慶應義塾大学鶴岡藻類 コレクションとして保存し、それらの分類や増殖特性、オイルの組成などを調査しています。また、本研究所で開発されたメタボローム解析技術によって微細藻 類がオイルを蓄積する仕組み(代謝機構)を明らかにし、オイル生産性の高い品種を作成する事を目指しています。

【資料】

エコミュージアム サロン

http://www.ecomuseum.jp/salon.php

エコミュージアム エリアガイド

http://www.ecomuseum.jp/areaguide.html

エコミュージアム アクセスマップ

http://www.ecomuseum.jp

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