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Forbes Japan誌「30 UNDER 30」に鶴岡出身の慶應義塾大学生を選出   都市環境微生物の先駆的研究で

鶴岡南高等学校在学中に慶應義塾大学先端生命科学研究所(冨田勝所長、以下先端研)の特別研究生をつとめ、現在 慶應義塾大学環境情報学部 4年生の伊藤光平(いとう・こうへい)君が、経済誌Forbes Japan で特集された「世界を変える30歳未満の30人」(30 UNDER 30)に選出され表彰されました。
関連URL:https://forbesjapan.com/30under30/

この賞は、各界で活躍する30歳未満のイノベーターを表彰するもので、アートからテクノロジー、教育、メディア、音楽、サイエンス、スポーツ、フード、社会起業家に至るまで、 毎年30人の「次代を担う若者」を選んでおり、いまではForbes の名物企画となっています。今年Forbes Japan の「30 UNDER 30」に選出された30人のうち、伊藤君は「ヘルスケア&サイエンス」カテゴリーの5人のうちの一人です。
「微生物」というと病原菌を連想しますが、人畜に害を及ぼす微生物はほんの一部で、地球に存在する膨大な種類の微生物のほとんどは人畜無害であり、中には人間にとって有益な善玉菌や、病原菌を抑え込んでくれる微生物も多く生息します。体の中の微生物はよく調べられているにもかかわらず、都市にいる微生物についてはほとんど研究されてきませんでした。
 「都市環境微生物」は世界でも注目され始めて4~5年の新しい領域です。伊藤君は、都市環境微生物のサンプリングや解析作業を学生のみで行う「GoSWABプロジェクト」を立ち上げ、都内の大学や渋谷のハチ公前などの約10箇所で500以上のサンプルを収集しています。そして先端研の施設を使って、サンプル中の微生物のDNAを網羅的に解析する「メタゲノム解析」を行うことで、微生物の種類やその割合を分析します。
伊藤君は高校生の時から先端研で特別研究生として微生物の研究に携わっていました。その後、慶應義塾大学の学生になってからも地元である山形県鶴岡市でのサンプリングや、母校である鶴岡南高校での高校生とのサンプリングなど、地元との連携を深めた研究を行ってきました。将来的には得られたデータをもとに「感染症の拡大の防止」「公衆衛生の改善」などの観点から都市開発への知見を得られる可能性があります。
受賞に際し、冨田所長は「GoSWABは、学生たちが自分たちで研究計画をたて、自分たちだけで実行し、教員はあくまでも相談役に徹する学生主体のプロジェクトです。サイエンスの楽しさや面白いアイデアは、実はそんな学生主体のプロジェクトから多く生まれるのではないかと思います。伊藤君にはこれからもサイエンスの面白さを多くの学生たちに伝えてくれることを期待しています。」とコメントしています。
受賞した伊藤君は「自分の研究がサイエンスの幅を超えて多くの人々に認知される機会をいただき嬉しい。今後とも自分の目的を忘れずに研究に励んでいきたい。」とコメントしています。

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