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"米ぬかが腸内細菌を変化させ大腸炎を抑制" 修士課程学生が解明、第23回腸内細菌学会にて最優秀発表賞を受賞

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程2年の田中一己(たなか・かずき)君は、先端生命科学研究所(山形県鶴岡市、冨田勝 所長)にて米ぬかの大腸炎抑制効果に関する研究を行い、その研究成果を6月18、19日に東京都江戸川区で開催された第23回腸内細菌学会にて発表し、最優秀発表賞を受賞、表彰されました。

第23回腸内細菌学会は、腸内細菌と宿主との関わりに関する先駆的、独創的な研究をメインテーマにした学会で、腸内細菌と健康に関わる様々な研究が発表されました。

本学会で授与された最優秀発表賞は、最も優れた口頭発表を行った40歳未満の発表者に対して贈られるもので、田中君は修士課程2年生ながら、社会人研究者を抑え、本賞を受賞しました。

本研究は、日本食に含まれる玄米の"米ぬか"が持つ大腸炎抑制効果のメカニズム解明を目指したものです。田中君は、腸内細菌叢解析や腸内代謝物質解析、遺伝子発現量解析といった様々な実験手法を通して、米ぬかを摂取することによる腸内細菌叢のバランスの変化と、それに伴った腸内環境の変化が、大腸炎抑制に重要であることを動物実験によって明らかにしました。

本研究により、米ぬか摂取は腸内細菌叢のバランスを変化させることで、腸内でのアミノ酸の一種であるトリプトファン代謝を調節し、それが大腸炎抑制につながることが示唆されました。

田中君は受賞に際し「社会人研究者もいる中で、このような賞を頂くことができ、大変嬉しく思います。先端生命科学研究所の優れた実験設備や集中して研究に取り組める環境が今回の受賞につながったと確信しています。世界に誇れる研究成果を出せるように今後も研究に邁進していきたいと思います。」とコメントしています。



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