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クモ糸の階層構造を初めて再現 -シルクタンパク質の液液相分離による階層構造形成-

理化学研究所(理研)環境資源科学研究センターバイオ高分子研究チームのアンドレス・アリ・マライ研究員、沼田圭司チームリーダー(京都大学大学院工学系研究科教授)、慶應義塾大学先端生命科学研究所の荒川和晴准教授らの共同研究グループ※は、クモの牽引糸[1]の階層構造[2]を人工的に再現することに初めて成功しました。
本研究成果は、天然のクモ糸と同様の構造と物性を示す糸を人工的に合成する技術開発の糸口になると期待できます。
クモの牽引糸は、その軽量かつ強靭な物性から、高強度構造材料など幅広い分野への応用が期待されていますが、その紡糸機構はまだ明らかになっていません。
今回、共同研究グループは、クモの牽引糸を構成するシルクタンパク質[3]の分子機構を明らかにし、シルクタンパク質が「液液相分離[4]」という挙動を経由し、網目状の微小な繊維(マイクロフィブリル)を形成することを示しました。さらに、マイクロフィブリルにせん断応力[5]を加えることで、マイクロフィブリルが束状に集まった牽引糸と同様の階層構造を再現することに成功しました。
本研究は、オンライン科学雑誌『Science Advances』(11月4日付:日本時間11月5日)に掲載されました。



詳細はこちらをご覧ください。(用語解説もこちらをご覧ください)

このニュースは下記のメディアで報道されました。
・山形新聞 2020年11月5日 26面
・日刊工業新聞 2020年11月5日 1面
・荘内日報 2020年11月6日 1面
・日経産業新聞 2020年11月24日 6面
・化学工業日報 2020年11月27日 3面

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