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慶大先端生命研と株式会社キュライオ 新規創薬事業を目指した共同研究を開始

慶應義塾大学先端生命科学研究所(山形県鶴岡市、所長 冨田勝、以下「慶大先端生命研」)と株式会社キュライオ(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO 中井基樹、以下「キュライオ社」)は、タンパク質の構造解析をベースに創薬候補となりうる新規生理活性物質の迅速な探索を目指し、共同研究契約を結びました。

クライオ電子顕微鏡を用いた構造解析技術は、生体分子の立体構造解析において優れた技術の一つです。なかでもクライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析とよばれる手法はサンプルを結晶化する必要がなく、水溶液中での構造が得られるなどの利点が多い解析技術で、ここ数年で大きく進歩しました。キュライオ社は、クライオ電子顕微鏡測定のための試料調製やグリッド作成、3次元構造解析に独自の技術を有しており、単粒子解析における従来の課題を解決するとともに、難易度の高いタンパク質やタンパク質超分子複合体の構造解析で大きな成果を挙げてきました。

近年、多剤耐性菌の出現による有効な抗生物質の枯渇が世界中で深刻な問題となっており、迅速かつ多様な抗生物質の開発が急務とされています。慶大先端生命研の湯澤賢特任講師は、巨大な人工タンパク質によって抗生物質様化合物を微生物に大量生産させる技術の開発に取り組んでいます。本共同研究では、キュライオ社による構造解析の技術を人工タンパク質のデザインに応用し、創薬産業への実用化を目指すものです。この研究が進めば、新規抗生物質を含む生理活性物質の開発速度を著しく高められる可能性があり、鶴岡から新たなバイオベンチャーの創出につながる可能性があります。

プレスリリースはこちらをご覧ください。


▼このニュースは下記のメディアで報道されました。
・山形新聞 2021年3月13日 10面
・荘内日報 2021年3月14日 2面


 




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