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クモ糸の構造と力学物性をデータベース化 -人工クモ糸材料の創出に貢献-

理化学研究所(理研)環境資源科学研究センターバイオ高分子研究チームのマライ・アリ・アンドレス上級研究員、沼田圭司チームリーダー(京都大学大学院工学系研究科教授)、京都大学大学院工学研究科の土屋康佑特定准教授、慶應義塾大学先端生命科学研究所の荒川和晴教授らの国際共同研究グループは、世界中に生息する1,000種を超えるクモからクモ糸を採取し、クモ糸タンパク質の構造とクモ糸の物性について網羅的な情報をデータベース化しました。

本研究成果は、天然クモ糸の情報から合理的に設計されたさまざまな材料物性を示す人工クモ糸材料の創出に貢献すると期待できます。また、作成したデータベースは「Spider Silkome Database」として公開します。

今回、国際共同研究グループは、世界中のさまざまな地域で採集されたクモを系統的に分類し、クモの細胞から抽出したRNAの解析からクモ糸タンパク質のアミノ酸配列情報を収集しました。また、それぞれのクモから牽引糸を採取し、クモ糸の引張強度や伸び率、タフネス(靭性)など12種類の物性を測定し、アミノ酸配列などの構造に関する情報とひも付けたデータベースを作成しました。さらに、クモ糸タンパク質の構造と物性の相関を基に、タフネスに寄与するアミノ酸モチーフを同定することに成功しました。

本研究は、米国のオンライン科学雑誌『Science Advances』(10月12日付:日本時間10月13日)に掲載されました。


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