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新規ミトコンドリア膜貫通ペプチドによる遺伝子送達

理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター バイオ高分子研究チームの沼田 圭司 チームリーダー(京都大学大学院 工学系研究科 教授、慶應義塾大学 先端生命科学研究所 特任教授)、吉永 直人 基礎科学特別研究員(慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任助教)らの共同研究グループは、ミトコンドリア膜タンパク質から着想を得た機能性ペプチドとプラスミドDNA(pDNA)からなる複合体が、細胞内のミトコンドリアに選択的に集積し、その内部で遺伝子発現が高効率に行われることを発見しました。

本研究成果は、ミトコンドリアにおけるあらゆるタンパク質発現を可能にし、ミトコンドリア病の治療やメカニズム解明に貢献するとともに、ミトコンドリアDNA(mtDNA)編集技術への応用が期待されます。

今回、共同研究グループは、ミトコンドリア膜貫通タンパク質(mitoNEET)の一部の配列を含む機能性ペプチド(mitoNEET-(RH)9)と外来遺伝子を含むプラスミドDNA(pDNA)またはミトコンドリアDNA(mtDNA)からなるミトコンドリア標的複合体を細胞に投与すると、ミトコンドリアに選択的に集積することを見いだしました。複合体として送達されたmtDNAは、mtDNA欠損細胞のミトコンドリア機能回復に十分な遺伝子発現を行うことが明らかとなりました。

本研究は、科学雑誌『Advanced Functional Materials』オンライン版(11月1日付:日本時間11月1日)に掲載されました。
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