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2025年
16th International Symposium on Tardigrada(第16回国際クマムシ学会)を鶴岡で開催 ― アジア初開催、世界17か国から研究者が集結 ―
2025年のニュース
25.06.30
16th International Symposium on Tardigrada(第16回国際クマムシ学会)を鶴岡で開催 ― アジア初開催、世界17か国から研究者が集結 ―
(25.06.30)
2025年6月23日(月)~27日(金)、16th International Symposium on Tardigrada(日本語名:第16回国際クマムシ学会・実行委員長:荒川和晴 慶應義塾大学先端生命科学研究所 所長)が、山形県鶴岡市・鶴岡メタボロームキャンパスにて開催されました。
本学会は、1974年にイタリアで始まり、3年に一度開催される国際的な学術集会で、今回がアジアおよび日本で初の開催となりました。
今回の開催には、17か国から約120名の研究者が参加。日本(29名)、ポーランド(24名)、アメリカ(18名)を中心に、世界各国の研究者が一堂に会し、クマムシ研究における最新の知見と成果を共有しました。
■最先端研究が集う学術プログラム
本学会では、形態学・生態学・分子生物学・ゲノミクスといった多様な分野から最先端の研究発表が行われ、学際的な議論と国際的なネットワーク構築の場として非常に実りある機会となりました。
・基調講演:4件
・口頭発表:57件
・ポスター発表:61件
■慶應先端研の役割と地域との連携による「鶴岡型MICE」の実現
本学会の誘致と運営は、当研究所 所長・荒川和晴教授を中心に推進されました。長年にわたる誘致活動と、当研究所が世界的なクマムシ研究の拠点として高く評価されていることが、今回のアジア初開催につながりました。
また、鶴岡市をはじめとする庄内地域との密接な連携により、学術交流に地域資源を融合させた「鶴岡型MICE」を展開。 以下のような連携プログラムを通じて、参加者に地域文化と自然の魅力を体感いただきました:
・地元の高校生による英語ガイド付き出羽三山神社エクスカーション(精進料理体験付き)
・市内文化施設ツアー(致道博物館・旧風間邸・荘内神社)と地元店舗の自由散策
・鶴岡サイエンスパーク視察(慶應先端研ラボ・スパイバー社等)
・松ヶ岡地区でのシルク産業・ワイナリー見学
さらに、地元20店舗以上の協力により、ユネスコ食文化創造都市・鶴岡の食を活かした多様なケータリングを提供。国際学会参加者の多様な食事制限(ベジタリアン、グルテンフリー等)にも対応し、地元老舗茶屋による抹茶体験など、五感で楽しむ文化体験が高い評価を受けました。
■地域のMICEモデルの構築と今後の展望
本学会は、IABを起点に、地域の高校生や事業者、行政機関との協働により実現した、「学術」と「地域」を融合させた地域特有のMICEのモデルとなりました。
・地域の知的・文化的価値の国際的発信
・地域参画型MICEモデルの構築
・食・観光・教育を通じた地域の魅力発信
これらの成果により、「地域全体のおもてなしを感じた」との声も多く寄せられ、学術コミュニティと地域社会の新しい関係構築に寄与する機会となりました。