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肝疾患の重症化に伴う腸内細菌叢の「シフト」を解明 -エネルギー地形解析で見える肝臓と腸内微生物群集のつながり-

理化学研究所(理研)バイオリソース研究センター統合情報開発室の鈴木健大研究員、桝屋啓志室長、大阪公立大学大学院医学研究科の大谷直子教授、同大学院生活科学研究科の藤井英樹教授、慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣特任教授らの共同研究グループは、脂肪肝に伴う炎症の重症度の変化に伴い腸内細菌叢(さいきんそう)がどのように再編されるか(腸内細菌叢の「シフト」)を、環境因子を扱う拡張型のエネルギー地形解析[1]を用いて明らかにしました。
この解析に基づいた評価方法は、肝疾患に関わる微生物バイオマーカー[2]の探索や、病態に応じた予防・介入法の開発に貢献すると期待されます。
今回、共同研究グループは、成人104人の腸内細菌叢データと、脂肪肝炎の活動度を評価する非侵襲的指標の一つである FAST スコア[3]の統合解析を行いました。その結果、FASTスコアの高低に対応する特徴的な腸内細菌叢の状態が 存在し、重症化とともに腸内細菌の多様性が単純に減るのではなく、複数の細菌の組み合わせが入れ替わる「群集の再編」として現れることを明らかにしました。さらに、個々の細菌が特定の群集状態とどの程度強く結び付くかを示す群集形成指数(CSI)[4]という指標を新たに開発し、肝疾患の状態と腸内細菌叢の群集組成をつなぐ細菌の候補を特定することに成功しました。
本研究成果は、腸内細菌叢を単一の細菌の増減や多様性の増減といった単純な特徴で捉えるのではなく、細菌同士の関係を含む「群集の状態」という新たな枠組みで評価することで、肝疾患に関連する群集の特徴をより的確に抽出できることを示しました。
本研究は、科学雑誌『Scientific Reports』オンライン版(9月25日付)に掲載されました。
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